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トライアングル35※

ふと気がつくと、目隠しは外されていて、身体には脱がされた服が掛けられていた。 気怠い身体を起こして辺りを見回す。 修平はこの部屋にはいないらしい。 イッた後で意識が飛んでしまったのだ。 身体の奥の熱はまだ残っていて、気怠いのにムズムズが続いている。 拓斗は服を抱き締めてしばらく俯いていた。薬のせいで頭がぼーっとしている。 ……修平……下かな……。 抱かれている最中、堪えきれずにかなり大きな声が出ていた気がする。1階にいた紘海にはバレなかっただろうか。 「気がついたのか」 ハッとして顔をあげると、修平が洗面ボウルとタオルを持って、入口に立っていた。 「あ……俺……」 「怠いなら横になってて。あなた、ベタベタだから身体拭いてあげる」 拓斗はちょっと呆気に取られて、修平の顔をまじまじと見つめてしまった。 「なに。その顔」 「あ……ううん」 慌てて首を横に振る。 身体の後始末をしてくれる為に、タオルとお湯を取りに行っていたのか。 修平はこちらに歩み寄ると、畳の脇にボウルを置いて、タオルを湯に浸して絞った。 「ほら。横になって」 促され、拓斗はおずおずと畳に身体を横たえた。 顔をタオルで拭かれ、首筋から胸へと移動する。 「ね、修平。俺、自分で、」 「いいから。たまにはこういう甲斐甲斐しいやつ、やってみたかったんだ」 すかさず返されて口ごもる。 こんな丁寧に事後の身体を清めてもらうなんて慣れてないのだ。 戸惑ってしまう。 ……修平……なんだか……ご機嫌かも。 拓斗は丁寧に身体を拭われながら、そっと修平の顔色を窺った。いつもあまり感情を表に出さないのに、鼻歌でも歌いそうなくらい上機嫌な顔で、楽しそうにしている。 「っぁ、」 乳首を拭われて、不意打ちにピクっとなる。修平は手を止めて、笑いながら顔を覗き込んできた。 「感じた?」 拓斗は修平の笑顔が眩しくて慌てて目を逸らし 「違う」 「ピクってしたでしょ?あなた」 修平はますます楽しげに、タオルで乳首をつんつんつついてくる。 「敏感だな」 くく…っと笑いながら胸に顔を埋める。タオルで刺激された後に突起をちゅっと吸われて、思わず声が出た。 「…っや、」 「まだ薬の効果、残ってるでしょ」 恥ずかしくて頬がカッと熱くなる。 そうなのだ。身体の奥がまだじわじわと熱くて、皮膚がいつもより過敏になっている。 歯で軽く甘噛みされて、堪え性もなく更にムズムズが強くなる。 「しゅ、へい。も、ダメ」 修平は顔をあげるとニヤリとして 「キリがないよね、あなたの身体。でも今はお預け。紘海が夜食作って待ってるからね」

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