131 / 164
トライアングル46※
「……修平のが、なかを擦って、気持ちよかった」
拓斗は諦めて消え入りそうな声で答えた。
「そう。ハメられるの、あなた大好きなんだ?前は弄ってないのに、イッちゃったよね。イッた瞬間ってどんな気分?ペニス擦ってイく時より気持ちいい?」
修平は囁き続ける。拓斗はこくこく頷いて
「全然、違う。奥から何か、溢れる感じになって、気持ち、よくて、頭が真っ白に…なる」
「そう。ありがとう。ちゃんと答えてくれて嬉しいよ。拓斗」
修平は耳たぶをはみはみしながら、左手で乳首をこね回し
「じゃあ、これは消すね」
フォルダ内の写真を選択すると、じっくり見せつけるようにしながら全て削除した。
「勿体ないな。でもこれで消えたよ?」
拓斗は横目で修平を見つめ、こくんと頷いた。
「さ。寝よう、拓斗。まだ夜中だからね」
修平は満足したのか、乳首から手を離すと、ごろんっとシーツに仰向けに横たわった。
あっさりと愛撫を中断されて、摘まれていた乳首がじんじんと疼いている。
そのまま目を閉じて、修平はまた眠ってしまった。
拓斗は熱い吐息を吐き出すと、物足りなさを感じている自分の乳首を、きゅっと指で摘んだ。
……修平の、ばか……。
あんな写真を見せつけて、煽るように身体に火をつけて、そのまま放ったらかしで寝てしまうなんて。
……俺って……ちょっと性欲異常なのかも。
もっと弄って欲しいと思っている自分が恥ずかしくなって、拓斗は布団を被って目を瞑った。
翌朝、目が覚めて修平と交代でシャワーを借りた。1階のダイニングスペースで顔を合わせた紘海は、何事もなかったような爽やかな笑顔をしていたが、拓斗はひたすら後ろめたかった。
そもそも、こちらの都合で翡翠を紘海に預かってもらう為に、ここに押しかけたのだ。昨夜の暴言や揶揄ってきた態度は許せないが、翡翠のことに関しては紘海はマメに気を配ってくれている。
エサと居心地のいい寝床とトイレまで用意されて、翡翠はすっかり安心しきって寛いでいた。
「朝食。口に合うかどうか分からないけど」
テーブルに小洒落たモーニングプレートを並べながら、紘海が呟く。
ソファーに座って翡翠と戯れている修平に視線を向けながら、拓斗は口をもごもごさせた。
昨夜の件で気を使ってくれているのだろう。紘海は昨日のように不必要に近づいて来ない。
拓斗は罪悪感でしくしく痛む胸を押さえて
「あの……。ありがとうございます。朝食。あと……翡翠のことも」
ちらっと紘海を見ると、彼はちょっと驚いた顔をしてからにこっと笑って
「どういたしまして。拓斗さん。翡翠ちゃんのことなら心配しないで。俺、責任持ってちゃんと面倒見るからね」
拓斗は慌てて目を伏せ、頷いた。
「あ……ありがとう。昨夜は……叩いてごめん…なさい…」
ともだちにシェアしよう!