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トライアングル53※
喧騒から外れたこんな場所で、まるで獣みたいにお互いを貪り合っている。
この非日常感と背徳感が、理性を狂わせていく。
「ん、……っはぁ……ぁ、」
口づけが深すぎて、息継ぎが上手くいかない。拓斗は苦し紛れに呼吸を求めて首を振った。修平の手が後頭部の髪をガシッと掴み、動けないように押さえ込んでくる。
酸素が足りない。目の奥がツンとする。
不意に、唐突に口付けがほどかれた。拓斗は急いで酸欠状態の肺に空気を吸い込む。
「っは、んはぁ…っけほっ」
急に空気が入ってきて噎せこんだ。
「鼻で息、出来ない?」
修平はクスッと笑うと、優しく背中を擦りながら
「あなた可愛いから、急にムラムラしてきた。ちょっと触るよ」
言いながら、ベルトに手をかけバックルを外し始める。拓斗は驚いて、修平の手を掴むと
「…っここで?…だってここは」
「大丈夫。誰もいないでしょ?少しだけだから、声、出さないでね」
そんなの無理っと言おうとしたが、ベルトが強引に外されホックとファスナーもおろされた。
「しゅへ、ダメっ」
「しっ。静かにしてて」
窘められて、いきなり下着の上からソコを握られた。
「…っあ、」
さっきのCafeでの悪戯で、少し反応していたのだ。修平の手はふくらみをなぞるようにして撫でさする。
「ふーん?やっぱり感じてた?あなたってエロいな」
満足気な囁きとともに、修平の手が下着の中に忍び込む。直に握られて、拓斗はう…っと息を詰まらせた。
「もっと感じてね。エロいあなたってすごく可愛い」
修平は勝手なことを言うと、もがく拓斗を身体を押し付けるように壁に縫いとめ、勃ちあがり始めたソコをじわじわと擦り始めた。
「……ぁ、……ぁ、や、」
「あれ、ちょっと使ってみようかな」
ペニスをゆるゆると扱きながら、空いている方の手をポケットに突っ込む。
取り出したのは小さなチューブだった。
目の前にかざされて、拓斗は息を飲む。
そのチューブには見覚えがあった。
以前、修平のアパートで使われた時は、ペニスが熱くなって感じすぎて、気が狂いそうになった。あまりに反応が激しかったから、修平はあれ以来使わないでくれていたのだ。
「だめ、修平、それ、やだっ」
ここはショッピングモールのトイレなのだ。いくら人がいないとはいえ、真っ昼間にこんな所でそんな刺激のあるものを使われたら……。
「しー。声が大きいよ。ペニスの先にちょっと塗るだけ」
修平はもがく拓斗を体重をかけて押さえ付けると、チューブの蓋を外した。
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