141 / 164

トライアングル56※

今のひと突きで、一気にのぼりつめてしまった。もちろん前はキツく塞がれて出せないから、中でイったのだ。 ふわっと意識が遠くなり、身体が浮いた気がした。そのまま全てが白くなっていきかけたが、修平は容赦なくまたギリギリまで引いて、ググッと押し入ってくる。 「んんんぅ……っぐ、んぅっ」 腹の底から込み上げてくる、獣じみた呻き声。狭い個室に反響する自分の声に、身が竦む。 「こら。声はダメって言ってるでしょ」 含み笑いの修平の声に叱責された。 わかってるのに、抑えられない。 必死に手の甲に唇を押し付け、せりあがってくる甘い吐息を堪えていると 「仕方ないね。手伝ってあげる」 修平はため息をついて、ポケットから大判のハンカチを取り出し 「口開けて?噛んで?」 拓斗の口にそれを押し付けてきた。 震える口を開き、ぱくっと咥える。 修平は手早く首の後ろでハンカチの端をキツく結える。 口を塞がれて、身体の熱が一気にあがった気がした。逆効果なのだ。かえって興奮が増してしまう。 でもこれで、必死に口を引き結ぶ必要はなくなった。拓斗はホッとして、ハンカチの布地をぎゅっと噛み締める。 「いくよ」 修平は低く囁いて、こちらの腰を掴み直した。ぐ…ぐ…っと試すように揺らされ、身構えた瞬間、ソレが自分の中をかき分け、潜り込んでくる。 「んんんん……っふ、んぅ…っ」 拓斗は目を見開き仰け反った。 自分の身体がありえないくらい反り返っている。ものすごい衝撃に、目の前に火花が散ったような錯覚を起こしていた。 「ああ……すごいな、あなたのなか。熱い……俺のモノ、食いちぎられそうだ」 唸るような修平の囁きに、感じ入ったような艶がのる。 修平が感じている。自分のなかで。 そう思うだけで全身が悦びに震えた。 セックスの時、乱れに乱れるのはいつも自分の方で、修平はわりと冷静だ。声も喋り方も、普段とあまり変わらない。 だから、感じている修平の少し掠れた艶めいた声は、ご褒美なのだ。 自分とのセックスで修平が我を忘れてくれたら、嬉しくて堪らない。 拓斗は力の入らない足を必死に踏ん張り、お尻を高く持ち上げた。 もっとズブズブ突き入れて欲しい。 自分の襞で、修平の昂りをもっと気持ちよくしてやりたい。 前は弾けそうに苦しいけれど、それすらも快楽だ。修平のモノを咥えたまま中イキすれば、熱い襞がわなないて、彼のモノを締め付ける。 修平は自分との行為で、その感覚をすごく気に入っている。きっと満足してくれる。

ともだちにシェアしよう!