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金もあってルックスも整ってるとはけしからん。そう忍は思う。
「で、そのイケメンが新入生代表挨拶するらしいんだよ。さすがの忍でもかっこいいって思うんじゃん?」
「はぁ? 俺はイケメンが嫌いなんだって。なに考えてんだか全くわかんないし」
「えっ、そんだけ? 俺もイケメンだけど好きなんだろ?」
「頭大丈夫?」
「……さーせん」
確かにこの友人、遠山 晟 は顔は整っている。けれど、忍好みの顔ではない。
性格は嫌いではないが。
「おい、もう移動だって」
「ほーい。忍、行こ」
「ん」
クラスメイトから声をかけられ、椅子から立ち上がり忘れずに椅子を机にしまう。我ながら几帳面だと思う。
基本的にこの学校は緩く、体育館に行ってからクラスごとに並ぶことになっている。
当然生徒会や委員会というものも存在し、他の高校とは少しずれているものの基本的な組織はあるのだ。ちなみに忍は生徒会補佐として活動している。
まあ、一番おかしいのは同性愛がかなり多いということだが。
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