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「いやー、片谷優都くんイケメンだったな。俺抱かれてもいい」 「大丈夫だよ。そんなの絶対にありえないから」 「しょぼーん」 入学式のあとの学級活動を終え、荷物をバッグに入れているときの話題はやはり片谷優都という男で、クラス中その話題で持ちきりだった。 確かに、猛烈にイケメンだった。顔だけで言えば完全に忍の好みだったが、人間で大事なのはなんと言っても中身だと思う。 「なんか……ファンクラブとか出来そうじゃね? 実際忍もあるんだし」 「……まあそうかもね。興味ないけど」 「おいー、もっと他人に興味持てよー。まあそこが忍さまの人気の理由……」 「こらやめろ」 この高校では生徒会がかなり優遇されている。必ずファンクラブというものが存在し、なにより生徒会長の人気がかなり高い。 生徒会の決め方というのも独特で、生徒会選挙は生徒によって決められ本人の意思関係なく生徒会に入ることが義務付けられていた。 役職は前生徒会長が決めることになっているのだが、忍は生徒会補佐として任命されたのだ。

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