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ファンクラブというのは校内での人気が高いと発生するもので、生徒会以外でそれが存在するのはたった数人らしい。
まあ、早速あれだけ人気だったらファンクラブが出来るのも時間の問題だろう。
「……あれ?」
すると、ふと晟が声を出す。晟の顔を見ると目線が扉の方に向いていて、忍もそれを追いかけるように扉を見ると同時に、自分の名を呼ばれた。
「……っ、大宮忍さん!」
「へ」
その声がして、その声の出し主を見る者と忍の方を見る者とで別れた。
自分の名前を呼んだのは、たった今話題に出した男。片谷だった。
「……なんで?」
クラスがざわつく。忍のクラスにはネコ系男子が少ない為黄色い声が聞こえることはなかったが、代わりに男同士が囁き合う声が聞こえた。
戸惑っていると、片谷が近付いてくる。
近くで見ると更に顔が整っており、背も高い。
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