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「えっと……なんの用ですか?」 一応生徒全員の前では敬語を使っているので敬語を使い、なんとか通常通りにするため愛想笑いをすると、片谷はくちびるを結んだ。 くちびるですら形が整っている。 「……すみません。ちょっとだけ……来て貰ってもいいですか?」 「あ、はい」 片谷が忍に背を向ける。その隙に晟の方を向くと、みっともない顔で忍のことを見ていたので慌てて片谷のあとについて行く。 片谷が歩くと、周りにいる生徒がみんな片谷の顔を見る。片谷は一切気にしていないようで、堂々と歩いていた。 それよりも忍に対する視線が痛く「どうして生徒会補佐が片谷くんと一緒に……?」という雰囲気が漂っている。 まあ、忍に対する視線はいつものことなのでしょうがない。 特に会話することもなく連れてこられたのは生徒が見当たらない裏庭で、よくこんな複雑な場所にある裏庭を見つけられたな、と思う。 「ついて来ている人は……いなさそうですね」 「……どうしたんですか? ここまで連れてくるなんて……」 早く寮に帰りたい。 そう思っていると片谷が真剣な眼差しで見つめてくる。

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