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「片谷……くん……」
「おはようございます」
「えっ、まじ?」
朝から王子スマイルを見せつけられた。なんとか顔が歪むのを耐え、笑顔を取り繕う。頑張れ表情筋。
にしても、朝から元気なものだ。
「あ、先輩のお友達ですか?」
「どもー、晟でーす」
「晟、先輩。ふふ、言いにくいですね」
手に口を当て、笑った。これは晟も落ちたな、と思っていると片谷と目が合う。
こっそりと睨みつけるとまたにこっと微笑まれ、騙されてはいけないと必死に自己暗示をする。
「……で、なんの用ですか? 片谷くん……」
怒りで声が震えた。それでもちゃんと笑顔なんだから本当に偉いと思う。
すると、周りに人が集まってきた。生徒会補佐とイケメンの片谷が話しているのだからその会話の内容が気になるのだろう。
これではなにか片谷が失言したら噂が広まりかねない。
片谷を近くに引き寄せようとしたそのときだった。
「目の前に好きな人がいたら声かけちゃうじゃないですか」
「……は……?」
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