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「君さ……いろんな意味で殺していい?」
「物騒ですね……でも、先輩も俺のこと利用してくれていいんじゃないですか?」
「なんで」
「だって……先輩狙いの男が減るじゃないですか。なんでも利用してくださいよ。折角ですし……ね」
そこで解放される。
恐らく忍の性格すらも既に理解していてそんなことを言うのだろう。
──嫌いだ。
忍は観衆のことを一切無視し、校舎に向かって勢いよく走っていった。
取り残された取り巻きはいつの間にか解散し、立ち尽くすのは片谷と晟のみとなった。
「片谷くん、だっけ? 君結構善人顔して悪い男だね」
「そう……ですかね。俺は純粋に忍先輩のことが好きなんですけど……中々伝わらないなあ」
「純粋って……よく言うよ」
「でも、いいんです。
──絶対俺のこと好きにさせてみますから」
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