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「……逃げただろ」
「邪魔しないようにしてたんですよ」
「随分都合のいい言い訳だな」
「ふふ、忍先輩のことだから、俺に助けられるのは嫌だったんでしょう?」
「……帰るぞ」
「はい」
どうしてそんなに忍のことをわかっているのだろうか。
会って一日しか経っていないというのに、不思議なものだ。片谷が敏感なのか、忍がわかりやすいのか。
「忍先輩の部屋ってどこにあるんですか?」
「え」
「送っていきますよ」
「……あわよくば部屋に入ろうとしてないか?」
「……バレましたか」
「入れないからっ」
お試し期間は、残り二十九日。
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