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まあ、いいか。
机の上にある透明な棚を開き、ピアスを吟味する。
実は穴が空いていて、右耳に一つと左耳に二つ空いている。ピアスをするときとしないときがあるだが。
そういえば、片谷の耳にも穴が空いていた。
まあ本来なら穴を空けてはいけないのだが、この高校はずれている。だから許されるらしい。
シンプルなピアスを取り出し、つける。左耳のもう一つ空いている穴の方には小さな揺れるピアスをつけた。
鏡を確認する。
うん、いい男。
制服に着替え、髪を整えるために洗面所に向かおうとすると、部屋のチャイムが鳴る。
──え?
何故この時間に。
生徒会員の部屋には四桁の数字を入力しないと入れないようになっている。まあ、専用の鍵でも入ることは出来る。
当然なにか危険なことを防ぐためだ。
この部屋のパスワードは忍しか知らないし、晟にすら教えていない。
どうせ晟が押したのだろうから相手を確認することなく部屋のドアを開ける。
すると、そこには片谷が立っていた。
「……え!?」
「あ、おはようございます」
「なんっ……!?!?」
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