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「空き時間に学校見て回ったりしてるんですけど……やばいですね、ここ。広すぎますね」
「うん。でも街には数十分で行けるから。食料調達出来る場所あるし、カラオケとか……ゲームが何個もあるとことか……設備はかなりしっかりしてるよ」
「たしか中等部もあるんでしたっけ」
「そう。でも高等部、まあ高校生が中学生に対して問題が起こるとやばいから校舎はありえないほど隔離されてるけどな。問題って言っても性的暴力だけど」
男だけを隔離するようなことがしたら当然性的暴力が起こるに決まっている。
この学園は金持ちや大富豪の息子、政治家の息子とかが多いからそれなりにしっかりした教育を受けているのだろうが、どの家庭も全てがしっかりしているわけではない。
中には甘やかされて育った男もいる。常識やマナーというものを教えられることなく子どものまま育ってしまったような輩もいる。
そんな中に中学生のときまでは常人として過ごしてきた自分が混ざっているのだ。
違和感、アウェイ。最初は戸惑いでしかなかった。
今では十分慣れたものだと思う。
「そういうのもありますよね。高校生ですし」
「……軽いな」
「俺がそういう事態に直面したことないっていうのもあるかもしれませんけどね」
そうか。こいつはまだ男同士の濡れ場というものを見たことがないからわからないのか。
だから楽観的のままでいられる。
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