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「……ほーん、二人で朝っぱらからなにしてたのかなぁ? うん?」
「うっせえ。なんもしてないわ」
だだっ広い食堂の入口で待ってもらっていた晟に早速からかわれた。二人でやってきたからだろう。
横目で片谷のことを見てみると、ただ微笑んでいるだけだった。この野郎、任せっぱなしにするつもりか。
「あ、すみません。俺友達と約束してんの忘れてました」
「……おい」
「じゃ、忍先輩のことよろしくですー」
そのまま食堂の中まで入っていってしまった。
ていうか、本当に友人らしき男と同じ席に座ってるし。なんだあいつ喧嘩売ってんのか。
「……俺らも早く行こーぜ。食券はもうあるし」
「わかったよ……」
歩き出す晟のあとについて行く。このとき、晟の制服の袖を引っ張ってしまうのは完全にくせだ。これは中学のときから変わらないこと。
何故子どものようなことをするのかと言うと、一度だけ晟と歩いているときに忍のことをよく思っていない輩に殴られたことがあり、それ以降晟の袖を掴んでいないと不安でしょうがないのだ。
晟は絶対に忍のことを捨てない。
だから、信用出来る。任せられる。
「お腹空いた。晟なに頼む?」
「俺……は、B定食かな」
「じゃあ俺A定食にする」
「何故違うもん頼むし」
「だって口に合わなかったら交換出来るじゃん」
「そう言いつつ口に合わなかったことは?」
「ありません」
「ですよねー」
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