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今、青春しているんだなあと思う。 制服を着て、教室にいて、外では部活動をしている。 大人になったら二度と見れない景色だ。 「……先輩」 「なに」 「先輩って、将来したいこととか決まってるんですか?」 「……すぐには思いつかないな」 なるとしても、普通のサラリーマンだろうか。 それか、大学に行ってそこでやりたいことを見つけるか。 こう思うと、自分は本当に目標とかやりがいとか、そういうものが全くないんだなぁと思う。 「そういうおまえは? 会社継ぐんだろ?」 「まあそうですけど……先輩に秘書やってもらいたいなあ」 「……は?」 「忍先輩が、俺が大人になったときも好きでいてくれたら秘書になってほしいです」 「……」 正気か? 確かにまだやりたいことはない。けれど、大人になったときも片谷の傍にいるという保証はないのに。 「おまえはなんというか……楽観的だよな」 「そうですか? だって、考えてばかりの人生なんてつまらないじゃないですか」 「……」 「先輩だって、なにかにずっと悩んでたら馬鹿らしくなりません? もういっそのこと吹っ切れちゃった方が楽ですよ」 「そう」 こいつとは考え方が合わない。 性格からなにまで正反対なのだろう。こんな奴とずっと一緒にいるのは気が狂いそうだ。 ……だからこそ色んな刺激を受けて自分が変わっていくのだろうが。 まだ自分が変わっていく未来が見えない。漠然と、自分は大人になってもこのままなんだと予感している。 本当につまらない人生だな。

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