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図星だ。実際、好きだと言ったときにも忍はそう思っているような顔をしていた。 まあ、入学式のとき会ったときより前に実は会っていたのだが、忍が覚えていないのも無理はないと思う。 だが忍の胸にあるネックレス。これをつけているということは忍はそののことは覚えているはず。 だったらいつかその子のことを思い出させればいい。 「俺、まさか大宮先輩みたいなのがタイプだとは思わなかったなー。女の子に興味なさそうだからもしかして、とは思ってたけど」 「別にゲイ……ではないけど。だから言っただろ? 小六の頃から忍先輩一筋だって」 「あーはいはい。そうだよなー。公園で会った大宮先輩に一目惚れしたんだよなー。てか結局見た目で好きになってんじゃん」 そう。忍とは公園で会った。 片谷は小学生の頃家に縛られるということが本当に苦しくて窮屈で、こっそり家から抜け出して遠くにある公園のブランコで一人ゆらゆらと遊んでいた。 すると、学ランを着た忍と地味な制服に身を包んだ女子がやって来たのだ。 かなり近かったというわけでもないが、静かだったためなにをしているのかということは明らかだった。 『あの……私、忍くんのことが好きです……だから、つき合ってください……!』 うわ、告白されてるところに遭遇しちゃった。そう思った。 帰ろうとも思ったが子どもながらにどう返答するのか気になり、その場に留まっていると忍が口を開く。 『……ごめん。俺、知らない子とつき合うの嫌だから』 驚いた。そんなにすっぱりと断るとは思わなかったからだ。 ついブランコを漕ぐのをやめ、どうなるのかを見ていると女子が泣きながら走って公園から去ってしまった。

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