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そう答えると、何故か片谷が嬉しそうな顔をする。
「……なに」
「いーえ、なんでも」
なんでも、という顔ではないのだが。
ずっと同じ物でそろそろ飽きてきてしまったし、今日新しいものでも買おうかな。
「今日買おっかなー……」
「……え?」
「指輪とか、ネックレス」
「ん、だめ」
「は?」
「指輪は今日買ってあげます。でもネックレスはそのままじゃないとだめ」
「……はぁ?」
益々意味がわからない。どうしてこのネックレスはこのままでないといけないのだろうか。
理由を聞こうとしてもそれ以上は受けつけないといった様子で微笑んでいた。
「もー……おまえほんとわかんない」
「下の名前で……」
「だぁれが呼ぶか、馬鹿」
そっちがその気ならこっちだって意地を張ってやる。
張り合って子どもみたいだが、別にどうだって構わない。
面倒な後輩を持ってしまった。
「ねー先輩」
「なんだよ……」
「今日俺の部屋で寝ます?」
「ぜっっっったいに寝ない」
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