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「んっ、んん……ぅ、は、ぁっ」
今まで経験したことないような、したこともないような噛みつかれるようにキスをされる。
手首を床に押さえつけられ、全く反抗出来ずにキスをされる。
舌が忍の咥内で暴れ回り、唾液が掻き回されてぐじゅぐじゅと淫らな音を立てる。
目を開かせようと思っても目を開けるのが怖くて、目を閉じたままその快楽に浸った。
「っは……先輩、キツめの美人ですけどそんなエロい顔も出来るんだ」
「く……」
すっかり濡れて赤くなったくちびるをゆっくりと親指でなぞられる。
エロい顔って、どんな顔?
すると忍はあることが心配になって片谷に問いただした。
「待って、部屋の鍵……」
「ああ、もちろん閉めてますよ。当たり前じゃないですか。先輩との時間を邪魔されたくない」
「は……ぁっ、んっ」
くちびるをぺろりと舐められて、また激しいキスをされる。腰がきゅんきゅんと疼き、ある部分が反応しそうだ。
押さえつけられている手首を片谷が長い指でなぞってくる。その感覚すらその気にさせてしまう。
薄目で片谷を超至近距離で見つめる。片谷も目を開けていて、目が合う。忍の反応をずっと見ていたようだ。
ということは感じている顔も見られているわけで。
やっぱり忍がされる側なのだろう。
いや、片谷のことを抱けるわけないのだけれど。
男に生まれたからには、抱く側に必ずいるのだと思っていた。そんな固定概念はたった今ぶち壊された。
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