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「考え事ですか? だめですよ。マナー違反」
「は……はっ……」
どうして考え事しているとわかるのだろうか。それを疑問に思って片谷を睨みつけると、なぜか柔らかく笑い返してきた。
キスをされながら着ていた服を上に捲られる。白い腹や既に勃っている二つの突起が露わになる。
「すご……綺麗」
変態。
心の中でそう毒づく。
男の身体に対して綺麗なんて狂っている。女のような膨らみもなければ丸みすらないのに。
どこか冷めきった目で斜め横を見ていると、片谷が強く突起をぎゅっと潰すように握ってきた。
「ひぁっ……!」
腰が大きく跳ねた。その反動で床に大きく作用が起きる。
打ちつけられた腰が痛みでジンジンするほど跳ね上がってしまった。
だってそんなところ、故意で触れようとしないのに。
「あっ、やだ、やっ……! ぃ、た……」
痛いくらい摘まれるのに、何故か脳はそれを『痛い』と受信しない。それどころか別の感情に変換させてしまう。
その別の感情は、既にわかりきっていた。
その別の感情を、忍は認めたくなかった。
「先輩って、童貞じゃないですよね」
「それが、なっ……」
「敏感すぎて不安になります。俺だから、っていう理由なら嬉しすぎて天国行けちゃいそうですけどね」
「笑えねえよ……っ」
いつもの片谷だ。冗談を言って、忍の反応に嬉しそうに目を細める。
なのにいつもと見え方が違うのは、今の忍の体制の所為か。
しつこく摘まれたかと思えば、今度は勢いよく吸われる。
「んぁっ……──!!」
高く、情けない声が出た。
恥ずかしい。聞かれたくない。なのに……やめて欲しくない。
狂ったのは忍の方か。
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