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まだ胸を弄られ続ける。そろそろおかしくなりそうだ。いや、とっくにおかしくなっているのだが。
「んっ、んん……」
こんなの、自分の声じゃない。
甘ったるくて女のようで、いつもの忍の声ではない。
色々耐えきれなくて、目元を両腕で覆う。気づけば腕は解放されていた。
「は……ぁ、はっ……」
やっと胸を弄る手を止められ、断続的に与えられていた快感がようやく止まった。
口からは忍の唾液が零れていて、白くシャープな顎に垂れ流れている。片谷はそれを舌で掬った。
「っ」
「あま」
片谷がくちびるを舌で舐め、忍を見つめる。見せつけるように喉仏を上下させて唾液を体内に取り込んだ。
もうなにもかも刺激が強すぎて、いつもは動揺するその行為が全く気にならない。
息を荒くさせながら胸を喘がせると、履いていたズボンを下に降ろされる。
「ちょっ……!」
慌てて下ろそうとする手を止めると、片谷が何故か嬉しそうにはにかんだ。
「……なに」
「かわいいです」
「……」
「もっとそうやって、忍先輩を見せて?」
その言葉に唖然して、手の力を弱めてしまった。だから、一気にズボンを引き抜かれた。
男らしくない白い脚が露わになって、毛も全くない肌が片谷の前に晒される。
片谷は、初めて間近で見る忍の脚に驚いているようだった。
「……綺麗ですね」
「ぁっ……」
「やばい。興奮します」
──男に興奮するなんて、変な奴。
変な奴だからこそ忍に手を出そうとするのだろうけど。
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