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そして、下着をずらされる。
先端と下着の生地が白濁で繋がり、どろりと重力に従って垂れていく。
その様子は、なんとも淫らなもので。
──恥ずかしすぎる……なに、これ……
正真正銘自分の身体なのに、自分のものではないみたいだ。
自分は女じゃない。男なんだ。
片谷は今やってはいけないことをやっている。
自分はそれを止めないといけない。
でも、止められない。止まってくれない。止まらない。
腕で口を隠し、表情を見られないようにしていると片谷がおもむろに口を開いた。
「ねえ、先輩」
「っ……な、に」
「さっき訊けなかったから、今もう一回訊きます」
片谷が忍の顔に、ゆっくり近づいてきた。
下手すれば鼻息がかかるんじゃないかってくらい近づいて、片谷が視界からいなくなる。
耳元に、片谷の息がかかった。
「俺、正直これ以上やったら絶対止まらなくなります。なので……その前に聞かせてください」
「……」
言うのを躊躇うように、一回小さく「ぁ……」って言ってから、切り出した。
「後悔、しませんか」
「……片谷」
顔は、見えない。というより、見れない。
忍の顔を固定されて、左右に動かせない。
この男は、時折こういうことを言う。
残り三週間になって、二週間を一緒に過ごして、わかった。
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