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指が激しく動かされる。
まるで片谷のなかにできた戸惑いを打ち消すかのように。
今忍にできることなんて、それを受け入れることだけだ。
ならば、喜んで受け入れてやろう。
それで片谷のなかの戸惑いや心のしこりなどが消えるなら。
「は……っ、ん……やっ、だめっ」
指の根元までなかに入っていったような気がした。つい拒むような声を出してしまうと、片谷の指の動きがいったん止まるもまた再開される。
どうしよう。少し気持ちいい。
自分が女役になってするセックスなど気持ちいいはずがないと思っていたのに、少しばかり快感を感じてしまっている。
自分はもしかしたらかなりの変態なのかもしれない。
「……ぐふっ」
「え、どうしました?」
「なんでも……」
まあ、高校生男子ならば変態だとしてもしょうがないだろう。
──少しショックだけど。
指の動きがどんどん激しくなって、忍のこえもそれと比例するように大きくなっていく。
もしかしたら、もう片谷のものはもう入るんじゃないか?
片谷の顔を見てみる。
荒い息遣いと、少し紅潮した頬は片谷が興奮しているということを示していて。
「あっ、ん……片谷、もう……挿れていい」
「でも……」
「あーもう! 挿れろって!」
ここまで来て遠慮する片谷になんだか腹が立ち、忍はそう声を荒らげた。
片谷は一瞬戸惑ったものの、指を一気に引き抜いたその代わりに自身の熱く滾った男の象徴を当ててくる。
入って、くる。
忍が身体の力をふっと抜いたのと、片谷のそれが孔に入ってくるのはほぼ同時だった。
「っあ──……!」
身体の力を抜いた途端に片谷のものが入ってきたから、大きいそれはすんなりと入ってきた。
忍のなかは片谷の侵入を悦び、受け入れている。
そこは未開の地にも関わらず、熟れて真っ赤になっていた。
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