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「懐かしいな。高校生のときはあんなにきゃーきゃー騒がれてて、他校の女子からも告白されまくってた二人がこーんなイケメンになっちゃって」
「……うさんくせえ褒め言葉だな」
「いやいやまじで。うちの会社でもおまえらのこと話題になってるんだぞ? ○○社にイケメン社長とイケメン秘書がいるって」
忍と一緒に苦笑する。
イケメンと言われるのは嬉しいが、今の片谷には忍がいるのだし、浮かれることは一切ない。
合コンとか人数合わせで呼ばれても、女子に口説かれたりするがなんとも思わない。
それなら忍の方がよほどかわいいのに。
「ほんっと、仲いいなら俺は嬉しいよ。あんなキューピッドになるなんて、俺はもううんざりだ」
「その節はご迷惑をおかけしまして……ね、忍さん」
「俺?」
あのときは晟が架け橋となってくれたが、晟の結婚に関しては忍と片谷のおかげだろう。
お互いに助け合っているなんて、変な関係だ。
「晟さんのおかげですよ。そうじゃなきゃ、たぶん永遠に拗れていたと思いますし」
「ははっ、そう? もっと褒めて褒めて」
「調子乗んな」
長かった。ここまで来るのに。
それでも、なんとか大喧嘩はすることなく仲よくやってこれている。
三十代にもなれば互いに落ち着きが出てきて、適度に干渉して適度に離れるということが上手くなった気がする。
一緒に過ごす時間が長くなるたびに、好きになっていく。
愛しくて、愛しくてたまらない。
好きになったのが忍でよかった。
「二人とも飢えてない? 大丈夫?」
「なににだよ。飢えてねーし」
「ちゃんとセックスしてんの?」
「……」
いきなり不躾な質問をされてしまった。
そうだ。晟はこういう性格なんだ。すっかり忘れていたかもしれない。
とりあえず。
「……してないことはないですね」
「やっぱりー。ちゃんとしないとだめだぞ? 肌のハリツヤどんどんなくなってくから……」
「余計なお世話だわ」
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