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Ⅰ 零⑩

運命なんてないと思っていた。 運命と運命が出会うのは奇跡だから。 稀有な存在なのだ。 運命とは…… しかし、運命が出逢った時、運命の歯車は廻り出す。 誰にも止められない。 出逢った瞬間、互いを好きになり恋に堕ちる運命は、今。廻り始めた。 俺は恋に堕ちている。 どうしよう……零が好きだ。 零も俺の事…… 「愛していますよ」 頷く事しかできない俺。 好きだって。伝えたいのに、顔が熱い。 零の大きな掌に包まれた頬だけが、燃えるように熱い。 これが運命の恋なんだ。

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