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Ⅱ 天高く⑤

右舷(みぎげん)後退、敵を引きつけろ。ニューロンジャマーは使えない」 俺の捜索は始まっていた。 襲撃に備えて、敵は機体制御不能にするニューロンジャマー対策のミラージュシールドを展開している。 これではアサルトビームの命中率も50%以下か。 さすがは本国だ。手抜かりない。 「アサルトビーム、ツープラズマ!テェェェェーッ!」 軌跡が波動を描く。 シャフトした反射鏡にビームが曲がり、幾何学紋様の波を奏でた。 これなら落ちる! 命中率が下がれば補えばいいだけの事だ。 燃える機影 幾何学の波に飲まれて、空から海に失墜する。 砂丘の砂の波に落ちていく。 《アヴァロン》の性能は知り尽くしてる。 俺が誰よりも。 「被弾を恐れるな、煙幕を張れ」 「ハッ」 地の利も俺にある。 お前達よりも長くここで俺はテロリストと戦ってきたんだ。 視界0 お前達はレーダーに頼らざるを得なくなる。 (当然ここは次の一手だ) 「ドローン展開」 墜落した敵機の残骸に電気信号を送信。 一時的にドローンとして操れる。 数が増えれば敵は混乱する。 一機だと思っていた敵に増援がきたと思えば…… ほら、簡単に陣形が崩れた。 零、皮肉だな。 俺達の生きる場所は戦場だ。 お前と同じ、蒼い空を見たかったのに。 俺達の頭上に広がる空はくすんでいる。 燃える命と黒い灯火で、空は色を失った。 黒煙が高く昇るだけだ。 それでも…… 生きる場所があるならば、生きるだけだ。 生き抜くよ。 お前がいるから。 「アサルトビーム、テェェェェーッ!!」 敵を表すレーダーの赤い火がLOST(ロスト)の連鎖を起こす。 ピィィィィー 空っぽの音が響く。 敵機全滅

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