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Ⅳ 運命の番①

「さぁ、仕上げといこうか」 仮面の下の声が笑った。 さようなら、だ。 君の過去 過去に関わるもの全てを。 沈めよう。 この海に……… 「リフレクト フライング。リュムナデスの火、オートチャージ」 旧日本国すべてを、この海に。 「なぜっ!あなたは、そんな事を」 「起きてしまったのかい?花嫁」 「あなたは、所詮はテロリストだ」 「そう……しかし、君はもうこんなテロリストと恋に堕ちてしまった。 君では私を殺せない」 だから……… 「手の中の物騒な物を、こちらに渡しなさい」 拳銃を持つ手が震えている。 目の前に立つのはテロリスト 《リュムナデスの火》総帥・影瑠は、俺の夫で…… 俺の……運命のα 「あぁ、そうだ。いい事を教えてあげよう。君のお父様。子の国・前国王を暗殺したのも私だよ」 「なぜ、そんな事」 怒りじゃない。 あの人は、俺を疎んじていた。父という肩書きだけで、今更なにも感じない。 疑問は、なぜ、とは。 「あなた自身だ。なぜ、俺にそれを明かした?」 「私を殺せば大義名分が立つ。父を殺した仇を討てば、世界が君に賛同する。 世界に捨てられた君が、世界を管理できるんだ」 そんなの……もう…… 「俺には必要ないんだ」 世界とか 管理とか 俺は、Ωで…… うぅん、αとかΩとかは関係なくて。 愛される世界が欲しかった。 愛してくれる人が欲しかった。 俺も愛したかっただけなんだ。 この世界で……… 「だから甘いんだ。君は」 君は世界を放棄した。 私を銃弾で撃ち抜かなかったのは、そういう事なんだよ。 「君の要らない世界なら、壊しても構わないだろう」 君は世界を壊せない。 私を壊す事もできない。 「だから……俺は……」 愛してしまったんだ。 運命に逆らえなくて、抗えなくて。 俺は、あなたを……… 「世界もあなた壊す事はできないけれど。俺は、自分なら!!」 銃口が火を噴いた。 ねぇ……… 言ってくれたんだ。 俺の命は俺の物だろうって。 ありがとうな。 誰だったか、忘れちゃったけど。 大切な言葉をありがとう。 未練はないよ

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