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Ⅳ 運命の番②
「お前はなにを馬鹿な事をッ!!」
翻った黒髪が風になびいた。
強化ガラスが砕ける。飛空挺の安全装置が作動し、外からの風はすぐに吹き止んだが……
仮面が落ちていった。
遥か地上に横たわる空の蒼を縫って……
漆黒の仮面が滑り落ちていった。
眼下へ
あなたは………
なぜ?
「ただいま、かな?」
あなたは海で………
光に撃たれた海に飲み込まれて。
「死ぬわけない。お前を残して、お前を受精させずに」
あなたは………
私は………
「生きているよ」
「………………あにうえ」
仮面のないあなたが頷いた。
「兄上」
何度も頷く。
「お前の兄・琉青だ」
深海の双眼に抱かれる。
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