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「それより話ってなんですか?」
「あぁそうそう。今日飲みに行こうぜ」
「えぇ、まぁいいですけど。それだけですか?」
「それだけだけど?」
どうせ席も隣同士なんだ。そんなの職員室でも誘えるだろう。
「職員室じゃ他の先生達にも聞こえるだろ。そしたら他の先生方も行く行くうるさいからな。特に女性方が」
「あぁー」
藤宮先生、顔整ってるしな。
教師じゃなくても、芸能人でも十分食っていけそうだ。
実際、学生の頃からスカウト何度もされてるって言ってたし。
「やっぱ俺たちイケメンだからな。モテる男は困るよなー」
「それ自分で言います?」
「本当のことなんだからいいだろ。でもこの顔のおかげで生徒たちの保護者にも好感を持ってもらっているから得だけどな」
いや顔だけじゃないだろうけど。
俺とそんなに歳変わらない藤宮先生は面倒見いいし生徒からも慕われている。
勉強させてもらうことの方が多い。
「よし、じゃあ飲み行こうなー。いい店見つけたんだよ。料理上手いし、落ち着く店なんだよ」
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