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「あっみけくん!いい所に来た!ちょっとおつかいを頼んでもいい?」  いつも入る時間よりかなり遅くなってしまった僕は女将の紗月さんに謝ろうと構えたが、それより先にお金の入った袋とバックを渡された。 「ごめんね、豆腐が切れちゃって…そこのスーパーで買ってきてもらえる?」 「えっ、あ、はい。わかりました。……あ、あの僕今日ちょっと遅れてしまって……」 「んっ?あっ、いいのよ。みけくんここ以外でも働いてるんでしょ?ちょっとぐらいゆっくりしてから来てもいいのよ」 「いや、それはさすがに…」  綺麗な笑顔を浮かべている紗月さん。 「ほんと真面目なんだから~。そういうとこもみけくんのいい所なんだけどね。あ、お客様が呼んでるから行くわね~」 「はいっ、えーと豆腐買ってきます!」 「うんよろしくね。いってらっしゃい」 「いってきます」  自分のリュックサックをロッカーに入れ紗月さんに渡されたバックを手に店の裏口から外へと出た。  よし、豆腐買ったし、早く帰って仕事しないと。  まだお客さん多い時間帯だよね。  紗月さんひとりじゃ大変なはず。  僕は足早にさつきまでの道のりを歩いた。  駅の裏通り、人は多いがあまり街頭がなくて暗い道路。  僕は思わず空を見上げた。  星はまだらに輝いてる。  金星もシリウスも見えないな…。  やっぱりあの浜辺で星を眺めて方が凄くきれいに見える。  ………つばき、元気かな…。  きっといい先生になっているはずだ!

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