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 そんなきれいな部屋の机の上にぽつんと置いてある赤いもの。  と他に封筒も二枚置いてある。  何だろう。  俺は机の上にある封筒のひとつを手に取った。  この赤いのはマフラーか。    でもこんな真っ赤なマフラーなんて持ってなかったけどな。  俺は不思議に思いながらも、手に取った封筒の中身を確認した。  これって………お金…?  1万円札が数枚入っている。  …………もしかして  嫌な予感がする。  俺はもう一つの方の封筒の中身も確認した。  二つ折りにされた紙切れが一枚入っている。  やっぱりこれミケがやったんだ。  俺は封筒の中の紙切れを取り出し開いた。  『つばきへ』そう始まっている文字の配列。  ミケからの手紙。  ―――そこからの記憶は曖昧だ。  まだ遠くには行っていない、そう思いただひたすらミケの姿を探した。  辺りが暗くなり、あの浜辺も探した。    が、どこにも――この町に、もうミケの姿はなかった。  それからすぐ春休みに入り、外には出たくなかった俺は一日中家に引きこもった。  一緒にテレビを観ながら笑いあい、ミケの作ってくれたご飯を食べて、ミケとこの机で一緒に勉強もした。  風呂上がりのミケの髪も毎日乾かして、俺がプレゼントした星のゴムで前髪を結んで。  そうだ、ミケの髪の毛、俺が切った。  素人だったけどなかなか上手く切れて、ミケも喜んでいた。  出会った頃よりも笑顔が増えて、ミケの笑顔を見る度に嬉しかった。

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