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忍ぶ思う日々、必然的邂逅
今日は朝起きたときから体がだるくて、いつもならすぐ布団から出られるのに、なかなか布団の中から起き上がることができなかった。
そんな体に力を入れ無理やり起き、準備して喫茶店しずくへと仕事へ向かったが、きつい。
住んでいるアパートから、歩いて10分の距離を20分かけてゆっくり歩く。
そんな僕の姿を見て真っ先に「大丈夫かい、体調が悪そうに見えるけど」と聞いてくれたマスターとおばあちゃんに笑顔で答えて仕事を始めた。
日曜日のお昼時。
店内は混み合っていて、体調が悪かったのも忘れるぐらいの忙しさだったが、ピークが過ぎ一気に疲れが出た。
そんな僕の姿を見て、「早く帰りなさい」とマスターから告げられ、お言葉に甘えて早く帰らせてもらった。
朝歩いた道を朝よりもさらにゆっくりした歩幅で歩く。
冬だけど、太陽の日差しが眩しい。
僕は時々、しゃがみこみながら歩いた。
―――と記憶がここまでしかない。
でも目が覚めたら、ちゃんと部屋に帰ってきていて、布団の中で寝ていた。
意識があまりないながらも歩いて帰ってこれたんだ。
僕はとりあえず時間を確認するため、布団の脇に置いてあると時計へと手を伸ばした。
時計の表示は16:30となっている。
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