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「…………家に帰ってる…」
というか、朝になっている…?
昨日僕は夕方、さつきに向かう道を歩いていた。
でも昨日はちょっと気分が悪くて――
「…これ」
自分のおでこにひんやりする物が貼られていること気づいた。
うーん、これなんだろう…?
僕はとりあえず自分のおでこに貼られているものを取ってみることにした。
長い四角形のそれはおでこに付いていた部分が青色のジェルみたいなものになっている。
そっか。これがひんやりしていたんだ。
でも、これ自分で付けた覚えはない。
というかこんなもの今初めて見たから、自分の家にあるはずがない。
でもここ僕の部屋だよね。
あっでも、昨日より気分は悪くない。
治ってる。
僕は嬉しくなって布団から飛び起きた。
うん。激しく動いても、昨日みたいに頭もズキズキしない。
よかった治った。
今日はしっかり最後までお仕事できる!
「………あっ!」
結局、僕さつきに昨日行ってないし、沙月さんにも連絡してない。
とりあえず沙月さんに連絡した方がいいよね。
「――目、覚めたか?」
沙月さんに連絡するために取ろうとしたスマホを掴む前に、玄関の方から声がした。
玄関入ってすぐ部屋になっているので、玄関先で声をかけてきた人もばっちり見えた。
でも……
「………何で…」
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