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「昨日ミケいきなり倒れるから、びっくりした。凄い熱もあったし」  そう言い玄関で靴を脱いで部屋の中へと入ってきた人物は――僕の知っている人…今でも大好きな人で―― 「じゃあ、これ貼ったの……」 「そう。慌てて近くの薬局で買って」  今、この部屋につばきがいる。  つばきの声がこの部屋に響いている。 「ところでもう体調はいいのか?」  持っていた袋を下ろし、僕の方へと近づいてくるつばき。 「あっ、それ外してるし。熱下がってなきゃまだ付けとかないと」 「……ぁ、もう熱下がってる」 「ほんとか?」  布団で起き上がった状態の僕の隣に座りこんだつばき。  あ、つばきの顔――。  あの頃より大人っぽくなってる。  でも髪色はあの頃のように綺麗な色。  髪型も変わってない。  すんなり耳に入ってくるつばきのこの声が好き。 「……ぁの、つばき…??」  つばきに見惚れていた僕にゆっくりと近づいてくるつばきの顔。  ……えっなに、何でこんなに間近につばきの顔が………  すごく近づいてきたつばきの顔。  ――こつんとつばきのおでこが僕のおでこに引っ付いた。  前髪を上げてるから、つばきの肌が直接僕に当たっている。 「うん。熱下がってるな」  そう呟きゆっくりと離れていくつばきの顔。  そっか。今のは熱を測ってくれてたんだ。

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