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空虚な日々、愛しさに気づく

  つばきへ 今まで本当にありがとう。 これからもずっとずっと、つばきに頼ってお世話になってばっかりじゃいけないと思うから自立します。 椿みたいに自分のやりたいことも見つけたい。 椿ならきっときっといい先生になると思う。てか絶対にいい先生になる! 本当に本当に今までありがとう、椿のことが大好きです  ――これがミケから俺への最後の言葉。  ミケ、いい先生かどうかは自分では分からないけど、ずっと夢だった教師になれたよ。  ミケは今どうしていますか?  なりたいもの見つかったのだろうか。  きっときっと頑張り屋のミケのことだ、自分としっかり向き合って、夢に向かって頑張っているだろう。  ………欲をいえばミケの隣でそんなミケを応援したい…。  ――――――――  ―――  日曜日の昼下がり。  家で持ち帰っていた仕事をしていた俺はいつの間にか眠っていたようだ。  ――終業式。5年前の誕生日の夢を見ていた。  あの日、家に帰ってきてミケのいない綺麗になっている部屋、ミケの最後に残してくれた赤いマフラーと漢字も交えた手紙、そして――ミケが作ってくれた俺の大好物のオムライスとコーヒーゼリー。  それが全て夢に出てくる。  もう5年経つ、未だに短い期間だったがミケとのあの日常が忘れられないでいる。 「………女々しい…のかな」  俺は深い溜め息をつき、仕事の残りに取り掛かろうとする。  が、全然集中できない。  気晴らしにこの辺を散歩するか。  俺は開いていたパソコンを閉じ出かける準備をした。  家から駅までの道のりを避け、通ったことのない道を歩く。  いい天気だなー。  寒空に温かい太陽の光が照らされている。  駅から家の往復だけでは発見できないところに様々なお店が立ち並んでいる商店街を発見した。  へぇーこんなところに商店街があるんだ。  俺はその商店街の方へと進んだ。  八百屋に、お肉屋、惣菜屋、洋服・雑貨屋と並んでいる。  なんかいいなこういう昔ながらの商店街。  あ、喫茶店もあるのか。  商店街の中のお店をいろいろ見て回っていると、昔ながらレトロな雰囲気の喫茶店を見つけた。  そういえば昼食をまだ食べてなかった。  そう気づくと急にお腹が空き始める。  ここの喫茶店で食べるか。

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