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――ミケの家この近くとさっきの喫茶店の老夫婦が言っていたが…
正確な場所はわからないからな…。
ミケの家を見つけられるかだよなー。
俺は近くのコンビニで、飲み物やゼリーなどを買い、商店街内を歩く。
……ミケに会えるだろうか…。
会いたい。
俺は商店街のお店の人に、ミケのことを聞こうと視界に入ったお肉屋さんに近づいた。
………とお肉屋の近くの路地で、しゃがみ込んでいる人影が見えた。
路地といっても、近くにはアパートや家が並んでいるので、このあたりの家の住人かもしれないが、こんな道路でしゃがみ込むなんて、もしかしたら立ち上がれないぐらい具合が悪い人かもしれない。
俺は小走りでしゃがみ込んでいる人の方へと向かった。
と同時にゆっくりと立ち上がり、今にも倒れそうなぐらいふらふらとした足取りで前へと進んでいる人物。
えっ…もしかして――。
真っ黒な髪に小柄な体型。
俯いていて顔は見えないが、見間違えるはずはない。
毎日、夢に出てくる……
「…………大丈夫か?具合悪そうだけど」
俺は俯きながら歩いている人物の前に立ち、声をかけた。
「えっ…と、あっはい。大丈夫です」
この声。
少し高めのこの声。
今でも忘れられない声。
俺は俯いている顔を見るために、こっそり下から顔を覗き込んだ。
真っ黒な髪の隙間から見えた顔は、今でも忘れられない…いや会いたかった――。
「…ミケ…だ」
だがその顔色は、体調が優れないのが目に見て分かるぐらいで…
顔は真っ赤でおでこには少し汗も滲んで前髪がその汗で濡れている。
とりあえず、ミケを家に……こんな状態でどこに行こうとしてるんだ…。
ミケに家の場所を聞こうとした俺の横を通り過ぎようとするミケ。
「全然大丈夫には見えないが…。どこに行く――って、おいミケ!」
――歩き出した途端、意識を失ったミケ。
少し遠いが、俺の家に連れて帰るしかないよな…。
ほんとはすぐ布団の中に寝かせたいんだが。
「えっ!みけくん!??」
ミケを抱きかかえた俺の方へと小走りで近寄ってくる人。
「やっぱりみけくん。えっ倒れたの!?救急車呼んだほうがいいわよね」
ミケの顔を見て、慌てて自分の携帯をエプロンのポケットから取り出した50代ぐらいの女性。
「あの…ミケのことを…」
「あっわたしこの子にお家を貸してる…要は大家ね」
大家さん。
いいタイミングで出会えた。
「ミケの家まで案内してもらえませんか?」
「えっでも救急車……」
「救急車は大丈夫です。少し熱が上がってるので、家で少し安静にすれば下がると思います」
俺の言葉を聞くと大家さんは自分の携帯をポケットの中へと直した。
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