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(5)
「そうなのね。それならいいけど…。でもあなたはみけくんとは………」
「昔からの知り合いです」
「あっ、もしかしてお兄さんとか?なら大丈夫かしら」
勝手に俺とミケを兄弟と認識した大家さんは、ミケの家へと案内してくれた。
ミケの部屋の中へと入り、ミケを敷いたままの布団へと寝かせ、先程コンビニで買った袋の中から熱冷ましのシートをミケのおでこへと貼る。
洋服も着替えさせたほうがいいよな。
パジャマとかはどこかにあるかな。
俺は布団のそばにあった、透明な衣装ケースの中を覗く。
あった。
灰色の上下のパジャマがあったのでそれと、タオルも一緒に入っていたのでそれも取り出す。
着替えさせるためにもタオルで軽く体を拭かないと。
俺はぬるま湯で濡らしたタオルでミケの体を拭き、パジャマに着替えさせた。
そっかミケの裸、今日はじめて見たんだ。
さすがに風呂とか一緒には入ってなかったもんな。
髪の毛は俺がいつもドライヤーで乾かしてたけど…。
最初の頃――ミケと出会った頃は前髪は顔が隠れるぐらい長くて、見てるだけで邪魔だったから、ゴムを買ってあげてそのゴムで前髪を結んでたんだよなー。
今のミケは前髪も目の上だし、全体的に短くすっきりした髪型だ。
というか、俺がミケの髪を切ったときのあの髪型に少し似てる。
あれからもちゃんとこまめに髪の毛、気にかけてるんだな。
それに部屋だって、狭い部屋だが、掃除も行き届いてるし、しっかりとした生活をしてることが部屋を見ただけで分かる。
仕事だってしっかりこなして、お金を稼いで、こうやって知らない街でひとりで暮らしている。
手紙で書かれていたこと――自立。
しっかり出来てるんだな。
俺はミケの寝顔を見た。
見た目はあの頃とあまり変わっていない、だけど大きく成長しているミケ。
すごいな。
俺はミケの髪を優しく撫でる。
さらさらな髪の毛。
このさらさらな真っ黒な髪だってあの頃と変わってないな。
毎日ミケの髪を乾かすのが密かに楽しみだった。
「…………あっ」
髪を撫でていた俺はミケの首元でキラッと光るものが目に入った。
……これ。あのときのネックレス――。
ミケの好きな星の形をしたネックレス。
店で見つけたとき、すぐさま買ってしまったんだ。
ミケ…今でも付けてくれてるんだ。
ってことは、少しは俺のことを思い出してくれてたりするのかなー。
俺は優しくそのネックレスに触れる。
嬉しい。
俺は眠っているミケの頬に唇を近づけた。
唇にするのは、ミケがちゃんと起きているときにしないといけない。
そう思い、頬に口づけをした。
やっぱり俺はミケのことが好きなんだ――。
恋愛対象として。
ミケと再会して、改めて自分の気持ちに気付かされた気がした。
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