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つばきと並んで歩いた先は、一回だけつばきと一緒に行ったことのある、ファミレスというお店だった。
しかも前行った時の店と同じ外観だ。
「つばき…ここファミレス?だよね?」
「そう!またミケと一緒に行きたいって思ってたんだ」
笑顔でそう答え、入り口の扉を開けてぼくを先に店の中へと入れてくれた。
店員さんに案内された窓際のテーブル席にあの頃のように向かい合って座る。
またこうやってつばきと一緒にご飯が食べられるんだ…。嬉しいなー。
「ミケなに食べたい?」
つばきが座席に置いてあったメニューの書かれているものをぼくに見せてくれた。
………あっ、これ!
ぼくは思わずあの時食べたものを見つけ指さしてしまった。
「あ、あの時ミケが食べてたやつだな」
「うん」
ぼくが食べたもの覚えててくれたんだ。
店員さんに品物を注文し終えたつばきに連れられ、レジ近くにある飲み物がたくさん書かれている機械の前にいる。
「これって……」
これ自分の好きなものを選べるのかな。
「ミケは何飲みたい?」
「自分たちでコップに飲み物入れるんだ」
「そうそう。ドリンクバーっていうんだぞ」
ドリンクバー
はじめて聞いたけど、すごいなー。
これたぶん自分が飲みたい飲み物のボタン押したら飲み物が出てくるんだよね。
「ぼくこれ飲みたい」
ぼくは目の前にあるオレンジの絵が書かれているボタンを指さす。
「じゃあ、はいそのボタン押してみ」
「うん」
つばきがボタンの下にコップを置いたところで、そののボタンを押すとオレンジジュースがコップに注がれていった。
つばきはお茶を注ぎ、2つのコップを持って席へと戻ると、ちょうどのタイミングで注文した料理が運ばれてきた。
白色のお皿に入ったクリーム色の食べ物は、あの時食べた時と全く一緒で懐かしい。
あの日は初めてだらけの出来事だったな。
でんしゃ、もはじめて乗ったし、あのときは…今もだけどやっぱりでんしゃ、に乗るのは怖い。
だけどあの時つばきと一緒に乗ったときは、怖かったけどつばきが隣にいてくれてるだけで、安心できた。
そのあと、つばきに星座の本を買ってもらって――。あの本はぼくの宝物だ。
いつもカバンに入れて持ち歩いてるし、寝る前に布団のなかで本を開くのが楽しみになってる。
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