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忍ぶ思う日々、星々と前兆

――――それからつばきは、週一回必ず、シズクにオムライスを食べに来ていた。 絹子さんは、ぼくのお友達!とすごく嬉しそうにつばきに話しかけている。 そんな光景が、日課となりつつある――。 「ミケ」 昼下がり。 お客さんが少ない時間帯。 シズクでオムライスを食べ終わったつばきは、ぼくをこっそりと手招きで呼んだ。 「……つばき?どうしたの…?」 つばきは、ポケットから星空の写真が載っている紙を取り出し、ぼくに渡してきた。 「……これ…なんだろう…?」 ぼくは、星空が描かれている横長い紙切れを見つめる。 でもこの星たち、すごくきれいだなー。 「ミケ覚えてるか?プラネタリウム行こうって約束したの」 「あっ」 ぷらねたりうむ。 星の名前とかを星空の映像を見ながら、解説してくれるんだよね? 前、つばきに教えてもらったことを思い出す。 「プラネタリウム、今度こそ一緒に行こう」 あの時ーーミケと一緒に星を見ていたとき、つばきが言っていたプラネタリウム。 「うん!行ってみたい!」 ぼくは思わず食い気味に、返事してしまった。 「ミケは次いつが休みなんだ?」 「えーと…」 確かお休みは…… 「いらっしゃいませ〜」 お休みがいつだったか思い出していたぼくは、絹子さんのお客さんを知らせる声で我に返った。 あ、水の用意しないと。 でもつばきと話してて…。 「いいよ。行っておいで」 どっちを優先したらいいのか、あたふたしていたぼくに、つばきは微笑んだ。 「つばきごめんね…」 ぼくは慌ててコップに水を注いで、窓際のソファー席に座っていったお客さんのところへ持っていった。 「いらっしゃいませ」 男性が座っている前にお水を置き、メニュー表を渡す。 「……やっぱりみけくん?」 「えっ?」 メニュー表を渡し、一旦その場を離れようとしていたぼくは名前を呼ばれ、お客さんの顔をみる。

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