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「でもやっぱり冬の海寒いしな…今度、プラネタリウムとか観に行こう」
「ぷらねたりうむ?」
なんだろう、それ…。
聞いたこともない。
「うーん。室内で星空を観察できる施設?しかも、星の説明つき」
首を傾げながらも、分かるように ぷらねたりうむ というものを教えてくれたつばき。
「へえー。そんなのがあるんだ!」
「そう。まぁ本物の星空には敵わないかもしれないけど、星の名称の説明もしてくれるから勉強になるぞ」
「……行ってみたいかも…」
「だろ?だから今度、一緒に行こうな」
「うん」
「さて、そろそろ帰ろう」
つばきが僕の手を握ったまま立ち上がったので、僕も一緒に立ち上がる。
*
「はい。ミケはすぐ風呂。温まってこい」
部屋の中へ入ったと同時にそう言ったつばきに、僕は小さく頷いて浴室へと向かう。
髪を洗い、体も洗う。
つばきが言ったとおり、髪を切ったので洗いやすくなった。
すぐにシャンプーの泡も落ちる。
切ってよかったかも。
それに、つばきに切ってもらえたし。
脱衣所に上がると、僕のスウェットとバスタオルが置いてあった。
つばきが用意してくれたみたいだ。
それに着替えつばきの元へと行く。
つばきがドライヤーを準備して待ってくれてるので、つばきの隣に座って髪を乾かしてもらう。
短くなったので、つばきの指が耳や頬、うなじに当たる回数が増える。
それに嬉しくなるけど、短くなったのであっという間に乾く髪。
もう少しつばきの指で髪を梳いてもらいたかった…。
「…あっ、今日夜準備できてない…」
ドライヤーを直し、僕の短くなった前髪をいつものように星のゴムで結んだつばきが僕の声でビクッと肩を上げ驚く。
「いきなり大きな声出すなよー」
恨めしそうにそう言ったつばき。
「夜は気にするな。今日は朝も昼もミケが作ってくれたから、俺が作ろう!」
胸を拳で軽く叩いたつばき。
「ちょっと待ってて」と言い、キッチンへと向かった。
僕は大人しくソファーに座って待った。
「はい。お待たせしましたー」
点いてないテレビの真っ暗な画面をじーっと見詰めていた僕は、つばきの声で我に返ってそちらに視線を向けた。
「……あ、これ」
卵チャーハンを二人分持ってきたつばき。
「俺これしか作れねーから…」
僕の隣に座り、恥ずかしそうに小声で呟いた。
「ううん。つばきのチャーハン好きだから嬉しい」
僕はいただきますと呟き、チャーハンを食べる。
べちゃべちゃ。だけど美味しい。
初めてつばきの家に来たとき、つばきが作ってくれたもの。
そのとき初めて、誰かと一緒に食べるご飯がこんなにも美味しいものなんだと感じた。
チャーハンをかき込んでいる僕につばきは微笑みつつ、「喉詰まらせるぞ」とお茶を渡してきた。
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