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スーパーから帰ってきてすぐオムライス作りに取り掛かる。
「ミケ、俺も手伝おうか」
玉ねぎ、ピーマンを切っていた僕にキッチンに近づいてきたつばきが声をかけてきた。
つばきと一緒に料理する。楽しそう…かも。
僕はつばきとオムライスを作ることにした。
狭いキッチンに二人いるのは窮屈だけど、つばきと一緒にオムライスを作ることが楽しい。
つばきも目尻の下がった笑顔で卵を割っている。
「へぇー。卵に砂糖やっぱ入れてたんだ」
「うん。つばき甘いやつ好きそうだから…」
「まぁ確かに。卵焼きも甘い派だけど」
つばきは意外に甘いものが好き。
コーヒーゼリーもアイスを乗せて食べるのが好きだし。
「え、牛乳も入れるの?」
僕はいつもの作るオムライスのレシピ通り、卵に牛乳を加えた。
その様子に少し驚いた顔をしているつばき。
二重の大きい瞳が見開いている。
「何となく牛乳入れたほうが、卵がふわふわするから……」
「あのふわふわ卵は牛乳を入れたからなのか。なるほど」
腕を組んで何度も頷いている。
そのあとも僕のオムライス作りに驚いていたつばき。
二人分のオムライスが出来上がり、お皿に盛る。
フライパンや使った調理器具は僕が洗おうとする前に、つばきにスポンジを奪い洗ってくれた。
僕はその間に、オムライスとスプーンとケチャップをソファーの前の机に持っていく。
「よし、食うか」
洗い終わったつばきが先程買ったチキンを持ってきて、ソファーに座り、僕もその隣に座る。
ふたりで手を合わせて「いただきます」を言い、オムライスを食べる。
「やっぱりミケの作るオムライス美味いな」
笑顔で食べているつばき。
よかった。つばきに喜んでもらえて嬉しいなー。
僕も笑顔でつばきの姿を見つつ、オムライスを食べる。
そんな頬が緩んだ僕の顔を嬉しそうに見ているつばきが、オムライスを食べるのを中断し僕の頭をポンポンと撫でる。
いきなり頭を撫でられて、じっとつばきの顔を見つめる。
「……なんか、ほんと最近ミケ笑うようになって嬉しい…」
そんな僕の視線から逸らしたつばき。
頭に乗せて手は未だポンポンと撫でている。
「つばきのおかげだ…。つばきの嬉しそうな顔を見ていると僕も嬉しくなる」
呟いた僕の言葉に撫でていた手も止まったつばき。
つばきの大きな手のひらが僕の頭に乗ったままで、温かい体温が頭のてっぺんに広がる。
「ほんと、ミケは正直だな」
逸らされていたつばきの視線が僕の顔を真っ直ぐ見つめた。
ほんの少しだけ、つばきの顔や耳が赤くなっていて、照れていることがわかる。
そんなつばきが可愛くみえる。
「思ったことは口に出した方がいいと思うから…」
僕はつばきの視線から一回も逸らさず、真っ直ぐつばきの顔を見る。
ふっと笑ったつばき。乗せていた手がまたポンポンと撫でる。
「そうだな。ミケの言うとおりだ。そんな正直に気持ちを伝えてくれるミケが好きだ」
「……好き…?」
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