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第59話 滴る熱
どろりと粘つく、熱くて淫らな火の雫。郁の中にもあったらって、舌先でそこを割り開いて啜った。
火の雫、真っ赤で、触ったら火傷してしまう毒々しい体液を。
「文」
「……」
「っ、すげ、っ、それ」
僕の部屋の扉に背中で寄りかかりながら、上から目を細め、舌使いの変化も堪能してくれる郁の硬くて熱くて太いペニスにキスをした。唇で先端に触れて、そのままじっくりねっとりと口の中で扱いてねだった。
「っ」
飲ませて。濃くて苦い、郁の。
「ふ、みっ」
ちょうだい?
「っっっ!」
郁のペニスが口の中でビクンと跳ねて、暴れて、髪を撫でてくれていた指がわずかにだけれど力を込める。
「ン、ン、んん」
「っ、っ、文」
舌先に郁のが、どろりとした液が弾けた。
「文っ……っ、はっ、ぁっ」
「……ん」
「文」
濃くて、線香花火の火の雫みたいに粘つく、郁の熱。
「文の口ン中」
「あっ、ふぁ……」
「すげぇ気持ちイイ」
僕のと同じ熱を郁も持ってる。
「ふ、ン……んく」
「文」
今、この中で射精したことを確かめるみたいに、郁の長い指が僕の口の中を撫でて可愛がる。舌も、頬の内側も撫でられながら、僕はペニスと同じように指にもしゃぶりつく。
美味い?
そう尋ねる郁に言葉でなく舌先を丁寧に動かすことで答えながら。
「やらしい」
「あっン」
押し倒されて、布団の上に組み敷かれて、服を剥かれるように脱がされた。少しの抵抗も許さない強さで脚を割り開かれたら、見つかっちゃうんだ。
「あっ……」
「文、イったの?」
ほら、見つかった。
「俺の、フェラしながら」
「ぁっ……やだ、見ないで」
「気持ち良かった?」
「ン、あっ、やぁっ……」
うん。気持ちよかったよ。
「射精するくらい、気持ち、良かったんだ?」
「ぁ、やぁぁっン」
我慢できずに出してしまうくらい、気持ちよかった。すごくすごく気持ちよかったのに。僕は欲張りなんだ。出したばかりなのに、まだ気持ち良くなりたいと硬いまま、郁の口の中に酔いしれてる。
「あ、ン、郁っ」
欲張りだ。
「あ、ぁ、ン、気持ち、イイ、のっ」
前だけじゃなくて、後ろの孔も可愛がって欲しくて、来てくれた指に悦んでヒクついてる。
「ン、ダメっ」
ダメ、なんて口で言いながら、股間のところに埋まった郁の頭に手を伸ばして、優しく撫でてあげるんだ。嬉しいって、悦んでるってわかるように髪に指を絡ませて、官能体に身体を捩ったりして。
「あ、ぁっ……ン、郁っゥっ……ン、それ、や、出ちゃうっ」
柔らかい郁の頭を撫でながら吸われるとたまらなく切なくなって、孔を締め付けた。そして、腰を突き上げ、郁の口の中に擦り付けてる。
「出せよ」
「あっ……ン、それ、ダメっ」
淫らな音を立てて、ペニスの先端をすすられたら、滲んでしまう。先走りが滲んで、郁のあの濡れて温かい舌の上で唾液と混ざる。
「郁っ」
大きく脚を広げて、ペニスをしゃぶられながら孔を柔く解してもらってる。
「郁」
やらしいでしょ? 郁の舌に竿を擦り付けるように腰を揺らして、気持ち良さそうに爪先まで痺れるほどの快感に悦びながら甘く喘ぐ僕は。
「も、口、離して」
「……」
「郁」
今度は僕のを見て。
「郁、挿れても、いい? 僕のここに、郁の……」
「待って。そしたら、ゴム」
「ううん」
ゴムを取ろうとする手を捕まえて、その指でここをいじってと胸に押し付けた。
「あンっ……今日、ゴムしないで」
「……」
「このまま、がいいの」
我儘なんだ。
だからね、僕の中にある、どろりとした真っ赤な熱を郁にも見せたいし。郁の熱は全部味わいたい。
「中に、出して」
舌の次はここにも欲しい。
「ここに、中出し、して?」
もう片方で郁の肩にしがみつきながら、片手を郁のペニスに添えた。孔に押し付けて、逃がさないために手で押さえながら。
「文……」
「ン、ぁっ、あっ」
指で可愛がられた孔を強靭なペニスで抉じ開けられる快感。
「あっ、ぁ」
孔を広げて、ペニスの一番太いところを咥えたら、そのままくびれも飲み込んで、硬い竿を全部僕の中に、挿れて。
見せてあげるから。
「ぁ、ぁっ、ああああっ! あぁぁ」
だから、抉じ開けて、擦りつけて、割り広げて、奥のとこまで来て。
「ぁっ、ン」
奥に突き当たるほど来られながら、隙間なくいっぱいになったら、射精した。
「っ、すげぇ、文の、中っ」
射精して、粘つく熱いのを自分のお腹の上へ散らかした。
「ぁ、はぁっン、ぁ」
「挿れただけで、こんな」
「僕も……」
口を開いて、舌を伸ばして貪り合おうよ。
「文」
「ン、……?」
「誰がなんて言おうが、貴方だけだ」
「……」
「最低最悪でいい」
「……」
「好きだ」
きつく、強く抱き締められながら、深くしっかりと奥のところで身体を繋げた。
「郁」
「好き、だよ」
布団の上、胡坐をかいて座る郁に跨って、首にしがみ付きながら、キスをした。大胆で我儘に相手の口の中を貪る激しいキスを。
脚を開けば、ペニスを根元まで咥えた孔の口も、出したばかりでまた蜜をほとばしらせ、残りも滴らせる僕の性器も、全てを晒して。
「文、動くぞ」
「あ、あぁっ、ぁっ、あっ」
ふわりと浮遊しそうなほど上へと突き上げられて、反動で根元まで一気に飲み込めば、奥の一番深いところまで郁のが突き刺さる。
「あ、もっ、またっ」
口の中でたくさん可愛がられて、出したいのを一時お預けされていた郁のより小さな僕のペニスの芯を熱が込み上げてくる。
突き上げられながら、自分からも腰を使って郁のペニスを扱けば中でビクビクと魚みたいに跳ねてた。
「ぁ、あっ」
「ふ、みっ」
「ン、出ちゃう、よ、もぉ」
「出せよ」
「あっ」
全部、見せてと、郁が口を開いてキスをねだった。
「全部、俺にくれよ」
熱も体液も何もかも、あげる。ね、だから。
「郁、好き」
お互いに奪い合うような身勝手で我儘で、とても満ち足りたセックスを二人でしたいんだ。
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