ヴァシュカがズボンの帯をほどいているのを見ているだけでキュンとする。 　腹につくほどに大きく固く反り勃ったものが視界にはいると、また奥が濡れた。 「コウキ」 　ヴァシュカが自分の名前を呼ぶだけで溶けてしまいそうだ。それと同時に抱き上げられて身体が期待に震えている。 　ヴァシュカからはいい匂いがしていた。花々を煮詰めた甘くて濃い香り。それは恒輝にとって恋の香りだった。その恋の香りが今、自分のものになる。 　そして熱いものが後孔に触れた。何度か表面を擦られて、入り口を押し広げるように先端が入り込んだ瞬間、ひくりとそこが震えた。 「ひ、あっ、あぁっ！」 　一気に深いところに突き入れたれたと同時に、目の前に星が飛んだかのようにチカチカして、腰はガクガクと震え気付いたら達してしまっていた。 「あっ、あぁ……あっ、あっ」 　休む間もなく何度も深い場所を激しく抜き差しされて、中を擦られるたびに恥ずかしいほどにあられもない声が漏れ出てしまう。イッたばかりの身体はどこを触られても敏感で溶けてしまいそうなほどに気持ちがいい。 　濡れた音と肌がぶつかる音と、自分の情けない声が混ざる。 「あぁっ、ヴァシュカ……あっ、あん、あっ、またイくっ……んぁ！」 　腰は勝手に動きヴァシュカのものを離すまいと締め上げた。 　そしてヴァシュカがねっとりと恒輝の首筋を舐めあげる。 「ヴァ、シュカ……」 　愛おしくてたまらない。堪らずヴァシュカを引き寄せて、鼻先をくっつけるようにしてキスをした。 　その瞬間、ヴァシュカが目を見開いて動きが止まったことに首を傾げていると。 「あっ、な、中……おっき……」 　急にヴァシュカのものが大きくなって身じろいだ。ただでさえ大きかったものがさらに大きくなるなんて……こんなもので中をかき回されたらどうなってしまうのかと恒輝のそこが収縮したのと同時にヴァシュカが短く息を吐いた。 「コウキ、コウキ」 　そう名前を呼びながらヴァシュカは一度ものを抜いてコウキの身体を転がした。そしてうつ伏せにさせると腰を持ち上げてまた自身をあてがう。 　そして背後からずるりと奥まで押し入れると、その刺激でコウキはまた爆ぜた。 「あああぁっ」 　すがるようにシーツを掴み、激しく攻められるとこれ以上の快感で狂いそうになる腰をがっちりと押さえ込まれて引き上げながらさらに奥へ奥へと打ち付けられた。 「あっ、ひぁっ……あぁ」 「コウキが締め付けてくる。もっと奥まで入れたい」 　そんな風に強請られると、とうに奥まで入っていると思うのにさらに先まで受け入れたくなってしまう。そんなところまで入るのだろうか。そんな恒輝の心配をよそに、ヴァシュカは恒輝の腰を引き寄せながらさらに奥まで、腰を押しつけた。 「あっ、だめ……っ、だめ」 　開いてはいけないところにまで、ヴァシュカが来ている気がして身体はこわばり逃げようとすると、腰を捕まれて引き寄せられる。 「駄目だ。もう逃がしはしない」 　これが本能というものなのだろうか。振り返るとヴァシュカは捕食者の目をしていた。 　そしてずぶりと奥を開かれた感覚にガクガクと身体が撓る。入ってはいけない奥の方までヴァシュカに埋められていて、次第に中で根元の形が変わっていくのがわかった。 　そしてその膨らんだ部分が恒輝の中を擦り、たたきつけるような打ち付けでさえも歓喜している自分がそこにいたのだ。 「ひぁ、あっ、あぁぁ……あっ、ヴァシュカぁ」 　ヴァシュカを締め付けながら、その鼻先が首筋に触れたのを感じた。 「コウキ、お前を私の番にしてよいか」 　こんなに獣じみた行為をしているというのに、ここまでしておいて最後に聞いてくるなんてヴァシュカらしいと思いながら、恒輝は自身の身体に這わされたヴァシュカの手を握った。 「言ったじゃん。ヴァシュカのものにしてってーー」 　そう口にした直後、首筋にヴァシュカの牙が突き立てられ、焼け付くような熱思えた瞬間に細胞の一つひとつが沸騰するように熱くなった。 「ああぁ……！」 「コウキはもう私のものだ」 　腰のうち付けがさらに激しくなり、ぐちゅぐちゅという水音と肌のぶつかる音、お互いの荒い息づかいが部屋に響く。 「あぁ、あっ、んぁぁ」 　欲しくて堪らなかったそこをヴァシュカが埋めてくれて、自分にぽっかり空いた穴すらなくなってしまったかのように愛おしさで満たされた。 　そのあとも、隙間がないくらい抱き合い、お互いの境目すらわからなくなるほど重なり合ってヴァシュカはその獰猛な口元から、甘い言葉を囁いた。 「コウキ、愛している」 　耳元で響いた声に、歓喜して思わず絶頂に達した瞬間。身体の奥でも、ヴァシュカの熱いものを感じた。ぎゅっと後ろから抱きしめられるのは心地よくて、とても暖かいと感じながら、恒輝の意識はふつっと途切れた。