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第24話
湯上がりの三条は何時もの様に長岡に髪を乾かしてもらい、長岡もバレンタインのお返しのクリームを塗ってもらい恋人同士の触れ合いを楽しむ。
普段と変わらないと言えば変わらないが、2人らしい触れ合い。
「遥登、いいにおいすんな。」
「うあ…っ、擽ったい…」
うなじをくんくんと嗅ぎながら、指を絡めると面白い位肩を震わせた。
それが、期待か緊張かなんて手に取る様に解る長岡は更に軽く噛み付く。
「…っ、」
「なぁ、遥登を待ってる間恋しかったって言ったら、信じるか?」
突然の告白にドクッと心臓まで驚いた。
信じるもなにも、長岡は自分にそんな嘘は吐かない。
自惚れて、しまう。
顔だけ後ろにやり悪戯気に口角を上げるその口に吸い付いた。
真っ赤になった顔を見られるのが恥ずかしくてすぐに俯いてしまう。
だけど、三条の精一杯の表現はきちんと伝わっている。
「俺、愛されてんな。」
サラサラの髪に頬をくっ付け、長岡も三条に気持ちを伝えた。
絡まった指さえも握りたいとばかりに三条はにぎにぎと動かしはじめる。
「遥登。
そんなんされたらたまんねぇって。」
「俺だって、正宗さんに触りたいです。」
「じゃ、沢山触って貰おうかな。
隣、行こうか。」
隣。
寝室。
腹も一応掃除はしてある。
期待、してた。
「行き、ます」
「良い子。」
パタンと閉まったドアに生唾を飲む。
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