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第30話
上下に揺れる薄い身体から目が話せない。
日焼けしにくく夏でも白い肌を赤くして快楽に溺れる様は官能的だ。
しっとりと汗ばんだ肌に真っ直ぐな髪が貼り付いている。
それに手を伸ばし剥がしてやると、撫でられたと思ったのか三条は一層とろんとした目を向けた。
「あ、まっ…まさ…さ……すき、…っ、ぅぁ…ぁ」
「…遥登、愛してる」
甘い声にいやらしいにおい。
目の前の絶景。
腰を手に力が入る。
頭を撫でていた方の手を後頭部に回し、唇を貪る。
何処もかしこも自分でいっぱいにしたい。
「んッ……ン"ん"っ」
足りない。
もっと遥登に溺れたい。
口を塞ぎながら腰を突き入れると舌に痛みが走った。
途端に口内に鉄の味が広がる。
鈍い痛みに目を開けると、目の前できつく閉じていた目が驚きに開いた。
それでもキスをやめずヌルヌルと上顎を擽り愛撫する。
羞恥を滲ませるその目をもっと見たい。
三条の息継ぎの為に口を離すと飲み込めきれなかった唾液が口から溢れ、互いのシャツの色を変える。
「あ、すみませっ」
「舐めろよ。」
べ、と血が滲んでるであろう舌を出すと素直に舌が絡む。
血の味がするキス。
キスと言うより舐められていると言った方が正しそうだが、三条からの行為ならなんだって嬉しい。
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