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第55話
裸のままベッドに押し倒された三条は手探りでタオルケットをたくし寄せる。
「恥ずかしいか」
「…だいじょぶ、です」
セックスをしたいがそれには腹の掃除をしなくてはならない。
同じく空間に恋人がいるのにそんな事を率先してするには勇気も足りなかった。
そんな三条に助け船を出す長岡にホッとしたのも束の間、とびきりの笑顔でシャワ浣をされた。
トイレ迄着いて来なかっただけ良かったのか…
恋人のにおいの染み付いた寝具に身体を沈めた三条の上に水滴が落ちてきた。
四つん這いで上に乗り上げる長岡が乱暴にタオルで拭っただけの髪から落ちたもの。
その髪にそっと触れると長岡の顔が近付いてきた。
「ん、」
きゅっと目を瞑ると首筋に唇が触れる。
喉仏、鎖骨と下がっていき、この連休中に着けられたキスマークの色を更に濃くしていった。
恋人の独占欲に塗れた身体。
自分で見ても淫らでいやらしい。
だけどすごく嬉しくて、すごくしあわせな色だ。
臍を舐められ、つるつるに剃りあげられた丘にもマーキングをされ、期待に陰茎が震える。
「ほんっとキス好きだな。
身体にされんのも好きか。」
「…すき、です」
長岡に触れられて嬉しいと隠す事なく身体が反応してしまう。
「じゃあ、口にも」
そう言って、噛み付く様なキスが降ってくる。
肉食動物みたいだ。
綺麗で格好良くて補食されたいって思ってしまう。
「んぅ…、ンん…」
長岡の腕にしがみ付きながら必死にそれに堪えようとする三条に、長岡のキスがより一層甘美なものへと変わっていく。
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