95 / 1502
第95話
キョロキョロと辺りを見渡すがやはり特異だ。
ホテルなのに教室のセット。
ベッドの近くに机と椅子、黒板。
此処は、セックスに特化した場所だ。
そういう空間なんだと、意識してしまう。
……何処に居ても居た堪れない
一人残された三条は一番マシなソファに三角座りで顔を埋めた。
シャワーの音が聴こえる…
生々し過ぎる…
頭がぐるぐるしてきた。
倒錯し過ぎている。
なんでホテルに来たのか考えもせず、ただぐるぐると羞恥に耐える。
「なにしてんだ?」
うんうん唸っていると頭上から声が降ってきた。
何時の間にかシャワーを浴び終え戻ってきた様だが恥ずかし過ぎて頭をあげられない。
真っ赤に染まった耳縁をするりとなぞられ肌が泡立つ。
何時もの冷たい手じゃない。
シャワーで温もった手だ。
「遥登も風呂行ってこい」
「…………どこまで、洗いますか…」
「…あぁ。
ふはっ、終わってからまた風呂入るから身体だけで良いぞ。
あぁ、でも、腹もな」
長岡と教室風セットを見ない様に浴室へと急いだ。
ともだちにシェアしよう!