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第96話
少し温めのシャワーで身体を冷やすが心臓が爆発しそうだ。
脱衣場と浴室を仕切る壁はガラス張りだが、脱衣場浴室共に壁で覆われていてそれ自体には安堵した。
浴槽も鏡も大きく、快適な浴室。
そこに映る自分の貧相な身体。
こんな身体を欲してくれているんだと改めて実感する。
腹に触れると必要な肉さえない。
腹だけじゃない、腕も脚も。
みっともない身体だとコンプレックスだった筈の身体。
肩口に残る歯型はもう微かにしか残っていない。
長期休暇にはいると、長岡は思い切り噛みついてくる。
真っ赤に腫れ熱を持ち、次第に色を変え、その色が流れる迄にゆうに2週はかかる。
だけど、恋人から与えられるものは快感と感受するこの身体はそれさえ嬉しい。
長岡の趣味なのか三条の趣味なのか最早解らなくなった毛のないソコにもキスマークが残っている。
長岡の独占欲が嬉しい。
あんなに格好良くて綺麗な人が執着を見せてくれて嫌な筈がないだろう。
マーキングの色が残る身体に泡を纏うとそれを塗り広げ、丁寧に身体を洗っていった。
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