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第115話

何時の間にか二度寝てしまっていたらしい。 それとほぼ当時に、くぁ…と欠伸をする音が聴こえた。 抱き締める手にも力が入る。 「正宗さん」 「ん…起きてたのか? はよ」 「おはようございます」 腕の中から声をかけると一層腕に力が入った。 長岡は何かを待つ様に少しの間そうすると身体を離し、前髪の上から唇をくっ付ける。 もう1週間程して高校生は夏休み。 その直前で課題を作ったり、補講用のプリント製作やらで忙しいのだろう。 帰宅後見たローテーブルの上には付箋の貼られた参考書が鎮座していた。 折角の外泊日だが、もう少し寝ていて欲しい。 「あの、今日はだらだらしませんか…?」 「ん、昨日がっつきすぎたか」 「違、わない事もないですけど…」 昨日のプレイも凄かった。 コスプレをして、イメプレだ。 先生と呼び、三条と呼ばれ。 教室によく似たセットでセックス。 そういえば最中スマホを翳していた。 そう遠くない内にソレを観ながらしようも言われそうだ。 綺麗な人程変態趣味、堅い職種の人は変態が多いというが、長岡と一緒にいるとそれも納得する。 でも、それに流される自分も自分。 変態過ぎる。 「…………嬉しかった、です」 「嬉しかったのか。 そりゃ良かった。 素直なはるちゃんにはご褒美って言いてぇけど、歯磨きが先か?」 「……特別です」 ちゅ、と触れるだけのキスをする。 長岡の手が耳を擽り、擽ったくて笑うと今度は鼻同士を擦り合う。 「やっぱ帰ってきて良かった。 もうふとんから出ねぇでこのまま自堕落にいてぇ」 「今日はそうしましょう」 「すげぇ贅沢」

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