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第118話

7月も半ばを過ぎ、梅雨が明けた。 蝉が鳴き、油で揚げられている気分になってくる。 気持ちが悪い。 コンクリートがやわらかくて足元がふわふわする。 熱中症…? 水分捕ってたけど足りなかった…? やばい、歩けねぇかも 容赦なく照り付ける太陽が嘲笑っている。 電信柱に手を着いて身体を支えた。 でもしなければ、しゃがみ込んでしまう。 ……正宗さん、 頭を優しい笑顔が過る。 恋人が恋しい。 此処から自宅まで電車で1時間と少し。 乗り換えと徒歩を考えるとバスに乗れば良かったと後悔した。 次のバスまで1時間以上ある。 自宅に母親が居るが生後3ヶ月の弟を乗せて1時間近く運転させるのは憚られる。 ポケットからスマホを取り出すと真っ白な指で画面をなぞりメッセージを飛ばした。

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