犬の様な荒い息。 冷房の利いた部屋なのにしっとりと汗ばむ身体。 「で…、で、そ…手ぇ、はなっ」 身体に不意に力が入った。 筋肉が収縮し、フロアキャビネットに踵がぶつかる。 その音に長岡は三条の腰を引き寄せた。 その動作が、セックスの最中の様で淫らな行為を覚えた頭は勘違いを起こす。 はくっと息を飲み込むと、精液がのぼってきた。 咄嗟に、長岡の陰茎を握りそうになり慌てて唇を噛んだ。 「ん"…ッ」 射精の気持ち良さに腰が痺れる。 気持ち良い。 「ぁ"……」 残滓すら残すもんかと動く手に頭を振るがそんなものは長岡に通じない。 とぷっと吐き出したそれで汚れていく手を気にする事もなく、言葉通り絞り出された。 そんな中、賢者タイムでどんどん頭が冷めていく。 …や、ちゃった また俺が先にイって… いやに冷静になった頭で長岡がイっていない事、それから握りっぱなしな事を思い出す。 長岡にもイって欲しい。 顔を上げると、手の平から伝う白濁を舐める長岡と目があった。 かぁっと全身がアツくなる。 「舐め…っ」 「遥登が舐めるか？ おい、口噛んだろ。 赤くなってる」 「んぅ…、俺は、も…ぅ」 赤くなった唇を舐められ貪られる。 上顎を擽り、舌を甘噛みされ、鼻にかかる媚びた声が出てしまう。 長岡を、長岡も気持ち良くなって欲しいのにキスが嬉しくてまた流されてしまいそうだ。